恵比寿映像祭とは

恵比寿映像祭は、2009年(平成21年)の第1回開催以来、年に一度恵比寿の地で、展示、上映、ライヴ・パフォーマンス、トーク・セッションなどを複合的に行ってきた映像とアートの国際フェスティヴァルです。映像分野における創造活動の活性化と、映像表現やメディアの発展をいかに育み、継承していくかという課題について広く共有する場となることを目指してきました。近年では、地域とのつながりや国際的なネットワークを強化し、一層の充実と発展をはかっています。
恵比寿映像祭2026について
恵比寿映像祭では、映像という言葉を限定的に用いるのではなく、映像をめぐる様々な選択肢に目をむけ、多様化する映像表現と映像受容の在り方を問い直してきました。芸術と映像が人にもたらしうるオルタナティヴな価値観(ヴィジョンズ)の生成を促し、存続させていくためのプラットフォームとして、発信を続けています。毎回テーマをかかげ、「映像とは何か」という問いを投げかけながら、国内外の映像表現を紹介し歳月を重ねるなかで、映像を取り巻く状況は大きく変化し、映像を規定する枠組みやテクノロジーも多様化しています。
恵比寿映像祭2026では、映像や写真の役割への問いかけを継続しながら、より柔らかな視点で社会状況の変化を考察します。映像祭をプラットフォームとして、様々な声を展開しながら、映像・写真だけでなく、サウンドや演劇などという異なる表現も、新たな試みとして取り入れます。また、3F展示室では、第2回コミッション・プロジェクトの特別賞を受賞した小森はるかの作品、および東京都コレクションが、総合テーマと連動して展開されます。今回ならではの組み合わせによって、複合的な視点の場を創り出していきます。
総合テーマ
あなたの音に|日花聲音|Polyphonic Voices Bathed in Sunlight
いま社会は多様性の尊重を重視しています。しかし、人、文化や言語などの間にはたとえ共通点があったとしても、誤解、誤読は生じます。そして、戦争は止まず、格差は埋まらず、さまざまな摩擦の終わりが見えません。私たちはアンバランスで複雑な社会状況に直面しています。
恵比寿映像祭2026の総合テーマは、メインキュレーター・邱于瑄(チィウ・ユーシュェン)による台湾語が起点です。台湾語は口承で広がった言語で、19世紀に生まれた発音記号や、20世紀の漢字表記の展開を経て、多くの文献が編まれました(その中には1931年に出版された、台湾語–日本語の辞書『台日大辞典』なども含まれます)。日本語とも共通点が多く、いくつかの表記法が混在している言語です。
「日花1」(ジッホエ/Jīt-hue)と「聲音2」(シアーイン/Siann-im)を組み合わせた台湾語は、ひとつとして同じものがないさまざまな声音が響く空間に、木々の間から洩れた光が差し込む様子を現します。私たちを取り巻く環境では、重奏するように異なる声が行き来し、多声的に折り重なって響いています。
私たちは、長い歴史の変遷によりさまざまな文化が積層した台湾の言葉を導線に、いまの社会に存在する多様な文化、言語などが互いに影響し合う複層的な形に柔らかく光を注ぐ思いで、恵比寿映像祭2026を構成します。
写真、映像、サウンド、パフォーマンスなどを通じて、不協であったとしても響き合い、重なり合う思考や存在が交差し、視覚的・聴覚的なポリフォニー3を深く形成していきます。個々の声や形は消されることなく、複数の視点が交差して拡張されます。美術館に留まらず、恵比寿地域の複層的な空間で出会う数々の作品を通じて、あなたの柔らかな思索をお楽しみください。
- 木洩れ陽。雲間もしくは木の間などより洩れ来る日光。『台日大辞典』より
- 声音、音色、音、音声。
- 複数の独立したメロディーが同時に存在し、互いに調和し合うことを意味する音楽用語。共同参加が可能な開かれた構造という概念として、現代では哲学や文化領域など、さまざまな分野においても応用されている。
開催概要
- 名称
- 恵比寿映像祭2026
あなたの音に|日花聲音|Polyphonic Voices Bathed in Sunlight
- 会期
- 2026年2月6日(金)~2月23日(月・祝)[16日間]
(2月9日[月]および2月16日[月]は休館)
※3F展示室のみ2月6日(金)~3月22日(日)
- 時間
- 10:00–20:00(2月6日~2月22日/最終日[2月23日]は18:00まで)
※2月25日(水)~3月22日(日)の3F展示室は10:00–18:00(木・金は20:00まで)
※入館は閉館の30分前まで
- 会場
- 東京都写真美術館、恵比寿ガーデンプレイス各所、地域連携各所ほか
- 料金
- 展示無料
※一部のプログラム(上映など)は有料
- 主催
- 東京都/公益財団法人東京都歴史文化財団 東京都写真美術館/日本経済新聞社
- 協賛
- 東京都写真美術館支援会員
※諸般の事情により、開館時期・内容などを変更する場合がございます。
スタッフ
- メインキュレーター
- 邱于瑄
- キュレーター
- 邱于瑄、田坂博子、山﨑香穂、三井圭司
- 教育普及プログラム
- 下倉久美、佐藤真実子、中野敬子、松澤優
- アクセシビリティ
- 舟之川聖子、中野敬子
- 学芸統括
- 丹羽晴美
- 広報
- 坂田めぐみ、久代明子、池田良子
- 進行管理・企画補佐
- 堂前佳穂
- 恵比寿映像祭2026事務局
- エイベックス・クリエイター・エージェンシー株式会社
- 運営統括
- 加藤信介、古後友梨
- 運営[進行]
- 堀江祐哉、村田紫萌、森杏奈
- メインヴィジュアルデザイン
- 田中せり
- 印刷物・ウェブサイト編集・校閲
- 櫻井拓(のほ本)
- 印刷物・ウェブサイト翻訳[和英]
- 池田哲
- 印刷物デザイン
- 田中せり、髙坂彩乃
- ウェブ構築
- 前田晃伸、庄野祐輔、髙橋ゆう(MAEDA DESIGN LLC.)
お問い合わせ
一般の方
E-mail: info_yebizo@av.avex.co.jp
恵比寿映像祭公式サイト:www.yebizo.com
プレスの方
恵比寿映像祭に関する取材、掲載、広報用画像等については、以下までお問い合わせください。
※報道・媒体関係者様のお問い合わせに限らせていただきます。
恵比寿映像祭2026事務局
広報担当:村田、森
E-mail:yebizo@av.avex.co.jp
※本サイト、あるいはプレスリリース内で使用している写真を広報用画像としてご用意しています。
①ご所属 ②貴媒体名 ③掲載予定時期
を記入のうえ、上記のプレス担当者までご連絡くださいますようお願い申し上げます。
※1月中旬に作家作品の詳細決定後、2次リリースを発表予定です。詳細は、本サイトでお知らせいたします。